浪費・衝動買い

見栄や人との比較でお金を使っていない?研究の質問票から作った8つの質問

約6分で読めます 出典照合済み(2026-10-10)

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Photo: Hines Studio / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

友達が買ったから、自分も同じ物が欲しくなる。SNSで見た暮らしに、少しでも近づきたくなる。人と比べてお金を使うのは、意志が弱いからではなく、多くの人にある心の働きです。研究者はこの傾向を質問票で測ってきました。この記事では、その質問項目を参考に、自分のくせに気づくための8つの質問を表にしました。

3行でわかる

  1. 人と比べる傾向は「比較志向性」と呼ばれ、11項目・5段階の質問票(INCOM)で測られる。物で満足や成功を測る傾向は「物質主義」と呼ばれ、別の質問票で測られる。
  2. イギリスの成人299人の調査では、能力や成果を人と比べる傾向が強い人ほど、物質主義の得点も高かった(相関 r=.60)。
  3. ただし、アメリカの学生1,022人の調査では、物質主義が高い人と低い人でカードの借金の額に差は見られなかった。質問の答えは「お金の失敗の予言」ではなく、自分のくせに気づく手がかりとして使う。

01 悩みの正体見栄でお金を使うのは、どんな傾向?

見栄や比較でお金を使う傾向は、研究では「人と比べる傾向(比較志向性)」と「物で幸せや成功を測る傾向(物質主義)」の2つに分けて測られる。どちらも誰にでもあり、強さに個人差がある。

比べると出費が増える仕組みは社会的比較と出費の研究で、ブランド品で埋め合わせたくなる仕組みは「埋め合わせの消費」の研究で扱いました。

この記事はその先の、「自分はどのくらい比較に動かされているか」に気づくためのものです。

02 科学的にわかっていること比べる傾向は、お金の使い方と関係する?

人と比べる傾向が強い人ほど、物で満足を測る傾向も強いことが調査で示されている。ただし、それがそのまま借金の多さにつながるとは限らない。

Gibbons と Buunk(1999)の質問票。Veleda ら(2024)の研究での紹介 [1]

人と比べる傾向を測る質問票INCOMは11項目で、「まったくそう思わない(1)」から「とてもそう思う(5)」の5段階で答える。11項目のうち2項目は、点数を逆にして数える。項目の例は「人生で成し遂げたことについて、よく自分と他人を比べる」。

対象: ブラジルでの翻訳版の研究で、元の英語の項目が表に載っている / 限界: 日本語版もあるが、この記事の日本語訳は元の英語からの訳。

Ohno ら(2022)[2]

物質主義を測る質問票(MVS)の日本語版を作り、20〜60代の日本人500人(各年代100人、男女50人ずつ)で確かめた。項目の例は「高価な家や車や服を持っている人を、すごいと思う」「もっと物が買えたら、もっと幸せになれると思う」。

対象: 日本のオンライン調査の500人 / 限界: 質問票の作り方を確かめる研究で、お金の使い方は測っていない。

Kim ら(2017)[3]

イギリスの成人299人では、能力や成果を人と比べる傾向が強い人ほど、物質主義の得点が高かった(相関 r=.60)。アメリカとカナダの799人の調査では、「人と比べて自分は恵まれていない」と感じる人ほど、2万ドルをもらった想像の場面で「欲しい物・必要な物を買う」に多く配分した(相関 r=.158)。

対象: オンライン調査の成人 / 限界: 一度きりの調査で、因果関係はわからない。2万ドルは想像上の金額で、2つ目の相関は小さい。

Velandia-Morales ら(2021)[4]

スペインの一般の人252人の実験で、「地元の格差が大きい」とする架空のニュースを読んだ人は、「格差が小さい」とするニュースを読んだ人より物質主義の得点が高く(5段階で2.59対2.26)、ローンで物を買うことへの抵抗も小さかった(2.89対2.61)。

対象: スペイン・アンダルシア地方の252人 / 限界: 地元の格差についての架空のニュースを読む実験で、実際の買い物は測っていない。

Pinto ら(2000)[5]

アメリカの3つの大学の学生1,022人の調査では、物質主義が高い人と低い人で、持っているカードの枚数や平均の借金残高に差はなかった。違ったのは、カードを何に使うかと、カードへの考え方だった。

対象: アメリカの大学生 / 限界: 2000年に発表された学生の調査で、今の日本にそのまま当てはまるとは限らない。

03 今日からできる小さな一歩比較でお金を使っているか、どう気づく?

最近の大きめの買い物を1つ思い出し、次の8つの質問に答えると気づきやすい。当てはまった質問が、比較や見栄が買い物に入り込みやすい場面の手がかりになる。

研究の質問項目を参考に作った振り返りです。診断ではなく、点数の基準もありません。思い浮かべる買い物を1つ決めてから答えてください。

質問当てはまったら参考にした質問票
1. 買う前に、同じ物を持っている人の顔が浮かんだ「人と同じ物を持つ」ことが買う理由になっていた対人的影響の受けやすさ [6]
2. 誰にも見せない・話さないとしても、買っていた? →「いいえ」物そのものより、見られることに払っていた物質主義(人に見せる物)[2]
3. 自分が成し遂げたことを、よく他人と比べる比べる傾向が強い人ほど、物質主義の得点が高い傾向があった比較志向性 [1][3]
4. 「あれが買えたら、生活がもっと良くなる」と思うことが多い満足を物に頼りやすい傾向物質主義(幸福)[2]
5. 高価な物を持っている人を見ると、すごいと思う物を成功のものさしにしている物質主義(成功)[2]
6. 「自分だけ恵まれていない」と感じた日に買い物をした恵まれていないと感じる人ほど、想像上の臨時収入を欲しい物に多く配分していたKim ら [3]
7. 少し高くても、格が上に見えるほうを選んだ値段より「格」に払っているステータス志向 [4]
8. 手元のお金では足りず、分割やローンで買った借りて買うことへの抵抗が小さくなっているかもしれない借金への態度 [4]
1

最近の買い物を1つ選び、8つの質問に答える

カードの明細や購入履歴から、1万円以上の買い物を1つ選びます。当てはまった番号に印をつけます。

所要 5分

2

「誰を思い浮かべたか」を1行で書く

質問1や6に当てはまったら、そのとき頭にいた人や投稿を書き出します。比べる相手が見えると、次に同じ場面が来たとき気づけます。

所要 2分

3

「見せない前提」でも欲しいか確かめる

次に迷ったときは、質問2だけを自分に聞きます。「誰にも見せないなら、この値段を払うか」。答えが「はい」なら、比較ではなく自分の好みで選べています。

所要 30秒

04 続けるためのコツ比べる気持ちと、どう付き合う?

比べる気持ちは消さなくてよい。比べた結果を「買う」以外の行動につなげ、比べる相手を見る時間を減らすと、お金を動かされにくくなる。

05よくある質問

見栄でお金を使ってしまうのは、性格の問題?

いいえ。人と比べる傾向(比較志向性)や物で満足を測る傾向(物質主義)は誰にでもあり、強さに個人差があるだけです。研究ではこれらを質問票で測り、性格の良し悪しとしては扱っていません。

人と比べる人ほど、お金を使いすぎる?

関係はありますが、単純ではありません。イギリスの成人299人では、比べる傾向が強い人ほど物質主義の得点が高くなりました(r=.60)。一方、アメリカの学生1,022人の調査では、物質主義の強さとカードの借金残高に差はありませんでした。

この8つの質問で、何個当てはまったら問題?

基準はありません。研究の質問票を参考にした振り返りで、診断ではないためです。当てはまった質問は、次の買い物の前に思い出す「自分のくせ」として使ってください。

「見栄・人との比較」を順に読む
なぜ → 気づく(この記事) → 工夫する → やってしまったら → 使う
この悩みのガイドを見る

出典

  1. Veleda, G. W., Seoane, G. R., Ezequiel, G. R., et al. (2024). Cross-cultural adaptation and psychometric properties of the Iowa-Netherlands Comparison Orientation Measure for the Brazilian context. Trends in Psychiatry and Psychotherapy, 46, e20220573.(原典: Gibbons, F. X., & Buunk, B. P. (1999). Journal of Personality and Social Psychology, 76(1), 129–142.) https://doi.org/10.47626/2237-6089-2022-0573
  2. Ohno, H., Lee, K.-T., & Maeno, T. (2022). The Japanese version of the Material Values Scale: construct assessment and relationship with age, personality, and subjective well-being. BMC Psychology, 10, 200. https://doi.org/10.1186/s40359-022-00889-3
  3. Kim, H., Callan, M. J., Gheorghiu, A. I., & Matthews, W. J. (2017). Social comparison, personal relative deprivation, and materialism. British Journal of Social Psychology, 56(2), 373–392. https://doi.org/10.1111/bjso.12176
  4. Velandia-Morales, A., Rodríguez-Bailón, R., & Martínez, R. (2021). Economic Inequality Increases the Preference for Status Consumption. Frontiers in Psychology, 12, 809101. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.809101
  5. Pinto, M. B., Parente, D. H., & Palmer, T. S. (2000). Materialism and credit card use by college students. Psychological Reports, 86(2), 643–652. https://doi.org/10.2466/pr0.2000.86.2.643
  6. Bai, S., Yin, Y., Yu, Y., Wei, S., & Wu, R. (2021). Effects of Self-Expressive Brand and Susceptibility to Interpersonal Influence on Brand Addiction: Mediating Role of Brand Passion. Frontiers in Psychology, 12, 602023. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.602023