浪費・衝動買い

セールで買いすぎないための工夫は?「買わなかったら、そのお金で何をする?」と考える研究

約6分で読めます 出典照合済み(2026-10-10)

値下げを示すスーパーの電子値札
Photo: Maksym Kozlenko / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

セールで買いすぎないためには、「買わない」を「そのお金を別のことに使う」と言い換えるのが効果的です。米国の5つの実験では、この言い換えや、代わりに買える物を書き出す方法で、買うと答える人が平均62.8%から47.8%に減りました。この記事では、この研究をもとに、セールの前と最中に使える4つの工夫を紹介します。

3行でわかる

  1. 人は買い物のとき、「そのお金で代わりにできること」を思い浮かべにくい。これを「機会費用の見落とし」という。
  2. 買わない選択を「お金を別のことに取っておく」と言い換えると、買う人が減った。代わりに買える物を書き出すと、さらに大きく減った実験もある。
  3. セール前に買う物と上限額を決めておく工夫も、支出を減らす方向の効果がまとめの研究で見られた。

01 悩みの正体セールで買いすぎるのは、なぜ?

セールで買いすぎるのは、値引きに目が向く一方で、「そのお金で代わりにできること」が頭に浮かびにくいからだ。研究ではこれを機会費用の見落としと呼ぶ。

値引き表示に判断が引っ張られる仕組みは「セール」表示につい買ってしまうのはなぜ?で扱いました。この記事は、セールの場で使える工夫に絞ります。

02 科学的にわかっていること「別の使い道」を思い出すと、買い物は減る?

減る。米国の5つの実験では、買わない選択を「お金を別のことに取っておく」と言い換えたり、代わりに買える物を書き出したりすると、買うと答えた人が平均62.8%から47.8%に下がった。報酬がかかった実際の選択でも、同じ傾向が確かめられた。

Plantinga ら(2018)[1]

DVDの特売などの場面で、商品を買うかを尋ねた5つの実験。買わない選択を「買わない」と書いた場合より、「その金額をほかの買い物に取っておく」と書いた場合(5つ目の実験は、代わりに買える物を書き出す方法)のほうが、買うと答えた人が少なかった(平均62.8%→47.8%)。収入の高い人も低い人も、同じくらい減った。

対象: 米国のオンライン参加者、5つの実験で合計2,325人 / 限界: 買うかどうかを想像で答える実験。DVDの実験など、5つのうち2つでは差がはっきりしなかった。

実験の商品(価格)「買わない」と書いた場合「別のことに取っておく」と書いた場合
映画のチケット(8.50ドル)71.97%が買う55.18%が買う
コンサートのチケット(50ドル)60.06%が買う49.69%が買う
タブレット(249.99ドル)。代わりに買える物を書き出した実験68.89%が買う40.48%が買う

表は、差がはっきり出た3つの実験の結果です(出典[1]の表1)。代わりに買える物を書き出した実験で、差がいちばん大きくなりました。

Smith ら(2025)[2]

報酬のかかった実際の購入判断で、選択肢を「買う/買わない」にした場合と「買う/お金を残す」にした場合を比べた。2つの研究、およそ3万回の選択で、「お金を残す」と書いたほうが買う割合が低かった。目の動きを測ると、お金を残す選択肢に目が向く時間が長くなっていた。

対象: 2つの研究の参加者(約3万回の選択) / 限界: 実験室の買い物課題で、実際のセール会場や通販サイトで確かめたものではない。

Davydenko ら(2021)[3]

お金の自制の工夫を試した29の研究をまとめると、支出を減らし貯金を増やす方向に中くらいの効果があった(d = 0.57)。買い物リストや買い物の予算のように、誘惑の前に決めておく工夫も含まれていた。

対象: 2001〜2020年の29の研究 / 限界: 研究ごとの結果のばらつきが大きく、公表の偏りも示された。

62.8% → 47.8%買わない選択を「お金を別のことに取っておく」と言い換えたり、代わりに買える物を書き出したりしたときの、買うと答えた人の割合の変化(米国の5つの実験の平均)[1]

03 今日からできる小さな一歩セールの前と最中に、何をすればいい?

セールの前に買う物と上限額を書き、セール中は「買う」か「このお金で○○をする」かの二択で考える。迷ったら、代わりに買える物を2つ書き出す。

1

セールの前に「買う物」と「上限額」を書く

スマホのメモに、セールで買う物と、使ってよい合計額を書きます。誘惑の前に決めておく工夫です[3]。

所要 5分

2

「買わない」を「○○に回す」と言い換える

カートの前で「買う?買わない?」ではなく、「買う?それとも、この3,000円を週末の外食に回す?」と自分に聞きます。別の使い道を具体的な物や体験にします[1][2]。

所要 10秒

3

迷ったら、代わりに買える物を2つ書く

同じ金額で買える物やできることを2つ書き出します。実験では、書き出したときに買う人がいちばん大きく減りました[1]。

所要 1分

4

「いくら得したか」より「いくら払うか」を見る

割引額ではなく、払う金額をメモの上限額と比べます。食べ物の値引きの研究では、払った額に目を向けると、値引きで食べ物を捨てやすくなる影響が見られなくなりました[4]。

所要 30秒

04 続けるためのコツセールのたびに続けるには、どうする?

セールのたびに続けるには、別の使い道を決まった1つにしておくとよい。実験では、代わりに買える物を具体的に書き出したときに、買うと答えた人がいちばん大きく減った。

05よくある質問

セールで買いすぎないコツは?

買う前に「買わなかったら、このお金で何をするか」を具体的に考えることです。米国の実験では、買わない選択を「お金を別のことに取っておく」と言い換えるだけで、買うと答える人が減りました。

「機会費用」とは何?

あるお金を使ったときに、代わりに使えたはずの別の使い道のことです。人は買い物のとき、この別の使い道を思い浮かべにくいことが研究で示されています。

セール前に予算を決めるのは効果がある?

買い物リストや予算のように誘惑の前に決めておく工夫は、29の研究のまとめで、その場で踏みとどまる工夫と同じくらいの効果がありました。ただし研究ごとの結果のばらつきは大きいです。

セールで買った物を使わずに後悔したら?

まず返品できるかを確かめます。迷いを長引かせない決め方は、衝動買いを後悔したときの記事で整理しています。

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出典

  1. Plantinga, A., Krijnen, J. M. T., Zeelenberg, M., & Breugelmans, S. M. (2018). Evidence for opportunity cost neglect in the poor. Journal of Behavioral Decision Making, 31(1), 65-73. https://doi.org/10.1002/bdm.2041
  2. Smith, S. M., Spiller, S. A., & Krajbich, I. (2025). The role of visual attention in opportunity cost neglect and consideration. Cognition, 261, 106145. https://doi.org/10.1016/j.cognition.2025.106145
  3. Davydenko, M., Kolbuszewska, M., & Peetz, J. (2021). A meta-analysis of financial self-control strategies: Comparing empirical findings with online media and lay person perspectives on what helps individuals curb spending and start saving. PLoS ONE, 16(7), e0253938. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0253938
  4. Wang, Y., Xu, W., & Sarigöllü, E. (2026). Do promotions make consumers more wasteful? The effect of price promotion on consumer food waste behavior. Behavioral Sciences, 16(4), 495. https://doi.org/10.3390/bs16040495