お金と幸福度

節約しすぎて、楽しみを逃したと後悔したら?「やらなかった後悔」の研究からの立て直し方

約7分で読めます 出典照合済み(2026-10-11)

山へ続く遊歩道
Photo: Jakub Hałun / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

「あのとき、お金を惜しまずに行っておけばよかった」。旅行、友人との食事、習い事。節約を続けた結果、楽しみを逃したと気づいて落ち込むことがあります。けれど、その後悔は「これからの使い方」を決める材料になります。研究をもとに、自分を責めずに立て直す手順をまとめました。

3行でわかる

  1. 「やらなかった後悔」は、時間がたつほど残りやすい。節約しすぎた後悔が後から強くなるのは、珍しいことではない。
  2. モノより体験の買い物で「逃した」後悔が起きやすい。体験はほかで代わりがききにくいから。
  3. 後悔した出来事を、自分への思いやりをもって振り返った人ほど、後悔から学べたと答えていた。責めるより、次の1つを計画する方が立て直しやすい。

01 悩みの正体節約しすぎた後悔は、なぜ後から強くなる?

節約しすぎた後悔が後から強くなるのは、「やらなかったこと」の後悔が、時間がたつほど心に残りやすいから。使った後悔は時間とともに薄れやすいが、逃した楽しみは「もしも」を想像し続けてしまう。

お金を使うこと自体がつらい人もいます。その心理は「支払いの痛み」の個人差の研究で読めます。この記事は、すでに「逃した」と感じた後の立て直しに絞ります。

02 科学的にわかっていること「やらなかった後悔」について、研究で何がわかった?

短い期間では「やったこと」の後悔が多く、長い期間では「やらなかったこと」の後悔の比重が増える。モノより体験の買い物で「逃した」後悔が起きやすく、自分への思いやりは後悔からの成長を助けていた。

Gilovich・Medvec(1995)[1]

これまでの研究をまとめると、行動したことの後悔は短い期間で強く、行動しなかったことの後悔は長い期間で強くなる。行動した後悔は時間とともに痛みが薄れ、しなかった後悔は痛みが強まる仕組みがあると整理した。

種類: 研究のレビューと理論の論文 / 限界: 金銭の使い方だけを調べた研究ではない。

2,600人米国シカゴの心理学の博物館で、来館者に「最も後悔していること」を尋ねた追試の人数 [2]

Richardson・Gilovich(2023)[2]

ここ数日の後悔では、「やったこと」の方がつらいと答えた人が58%、「やらなかったこと」が42%だった。人生全体の後悔では51%と49%で、差ははっきりしなくなった。時間の幅が広がるほど「やらなかった後悔」の比重が増える傾向は再現された。

対象: 博物館の来館者約2,600人 / 限界: 著者自身が「部分的な再現」と位置づけている。人生全体では「やらなかった後悔」が多数派になったわけではない。

Rosenzweig・Gilovich(2012)[3]

5つの研究で、モノの買い物は「買わなければよかった」という後悔を、旅行などの体験の買い物は「やっておけばよかった」という後悔を生みやすかった。体験はほかのもので代わりがききにくいと感じられることが、理由の1つだった。

対象: 5つの研究の参加者 / 限界: 後悔の種類を比べた研究で、どう立て直すかまでは調べていない。

Zhang・Chen(2016)[4]

3つの研究で、後悔した出来事を自分への思いやり(セルフ・コンパッション)をもって振り返った人ほど、その後悔から成長できたと答えた。思いやりの視点で振り返るよう促された人は、出来事を受け入れやすくなり、それが成長につながっていた。

対象: ブログの後悔の投稿の分析と、参加者を対象にした実験など / 限界: お金の後悔に限った研究ではない。成長は本人の回答などで測った。

楽しむより自制した選択ほど、時間をおいて振り返ると後悔されやすいという消費者研究(Kivetz・Keinan、2006年)も、自制心についてのレビュー論文で紹介されています [5]。お金に限った結果ではありません。

03 今日からできる小さな一歩楽しみを逃した後悔から、どう立て直す?

楽しみを逃した後悔から立て直すには、①何を逃したかを1行で書き、②自分を責める言葉を思いやりの言葉に言い換え、③逃したものに近い体験を1つ、日付と予算つきで計画する。この3つで、後悔を次の行動に変えられる。

1

逃したものを1行で書く

「去年の友人との旅行に行かなかった」のように、具体的に書きます。「お金を使えなかった自分」のような大きな言い方にしないのがコツです。

所要 3分

2

友人に声をかけるつもりで言い換える

「なんてケチだったんだ」を「あのときは将来が心配で、守ろうとしていた」に言い換えます。研究では、思いやりをもって振り返ると、出来事を受け入れやすくなりました [4]。

所要 5分

3

近い体験を1つ、日付と予算つきで決める

同じ旅行は戻りませんが、近い体験は選べます。「来月、あの友人と日帰りで出かける。予算1万円」のように、日付と金額を決めます。

所要 10分

4

払えるかを確かめてから予約する

取り戻したい気持ちが強いと、反動で使いすぎることがあります。手元の貯金の余裕は生活費の何か月分かの計算表で確かめ、その範囲で決めます。

所要 10分

04 続けるためのコツ同じ後悔を繰り返さないためには?

同じ後悔を繰り返さないためには、楽しみに使うお金を先に予算として分けておき、迷ったときに「1年後の自分ならどちらを後悔するか」を考える。節約をやめるのではなく、楽しみの分を守る形にする。

お金の不安が強く、楽しみに使う余裕がまったくないと感じる場合は、お金の不安が強いときの立て直し方も参考にしてください。気分の落ち込みが長く続くときは、医療機関や自治体の相談窓口に相談することも選択肢です。

05よくある質問

節約しすぎて後悔するのは、おかしいこと?

おかしくありません。研究では、時間の幅を広げて振り返るほど、「やらなかったこと」の後悔の比重が増えることが示されています。節約を頑張った人ほど、後から「あのとき使えばよかった」と感じることがあります。

逃した楽しみを取り戻そうとして、使いすぎないか心配。

先に日付と予算を決め、手元の貯金に余裕があるかを確かめてから予約すると、反動の使いすぎを防ぎやすくなります。取り戻すのは「同じもの」でなく「近い体験を1つ」にします。

モノを買うのと体験に使うのでは、後悔の仕方が違う?

違います。研究では、モノの買い物は「買わなければよかった」、旅行などの体験は「やっておけばよかった」という後悔を生みやすいことがわかっています。体験は、ほかで代わりがききにくいと感じられるためです。

後悔している自分を責めると、次は気をつけられるのでは?

研究では、後悔した出来事を自分への思いやりをもって振り返った人ほど、その後悔から成長できたと答えていました。責めるより、受け入れて次の行動を決める方が立て直しやすいと考えられます。

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なぜ → 気づく → 工夫する → やってしまったら(この記事)
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出典

  1. Gilovich, T., & Medvec, V. H. (1995). The experience of regret: What, when, and why. Psychological Review, 102(2), 379-395. https://doi.org/10.1037/0033-295X.102.2.379
  2. Richardson, J., & Gilovich, T. (2023). A very public replication of the temporal pattern to people's regrets. Royal Society Open Science, 10, 221574. https://doi.org/10.1098/rsos.221574
  3. Rosenzweig, E., & Gilovich, T. (2012). Buyer's remorse or missed opportunity? Differential regrets for material and experiential purchases. Journal of Personality and Social Psychology, 102(2), 215-223. https://doi.org/10.1037/a0024999
  4. Zhang, J. W., & Chen, S. (2016). Self-compassion promotes personal improvement from regret experiences via acceptance. Personality and Social Psychology Bulletin, 42(2), 244-258. https://doi.org/10.1177/0146167215623271
  5. Kokkoris, M. D. (2024). Use and misuse of the self-control concept in the public sphere. Frontiers in Psychology, 15, 1457524. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2024.1457524