お金の不安

お金の不安で追い詰められたら、何から立て直す?書き出す・連絡する・相談する、の手順と研究

約7分で読めます 出典照合済み(2026-10-10)

電話機
Photo: Wilfredor / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

支払いの期日が迫っているのに、お金が足りない。考えるほど眠れなくなり、通知を開くのも怖い。お金の不安で追い詰められたときに必要なのは、全部を一度に解決することではありません。状況を1枚に書き出し、期日の近いところから連絡し、ひとりで抱えずに公的な窓口へつなぐ。この記事は、その順番と、裏づけになる研究を整理しました。

3行でわかる

  1. 日本の3,717人の調査では、うつ症状と結びついていたのは借金があることより、借金を心配していることだった。ただし一時点の調査で、心配が原因とは言い切れない。
  2. 米国の39の研究をまとめたレビューでは、借金と心の不調をつなぐ仕組みとして、お金の苦しさ、取り立ての圧力、「自分で何とかできる感覚」の低下が挙がった。
  3. 英国で借金の整理に進んだ260人は、深刻さに気づいてから相談まで平均14.6か月かかっていた。追い詰められたと感じたら、188や法テラスなどの無料の窓口へ早めに連絡する。

01 悩みの正体お金の不安が強いと、なぜ動けなくなる?

お金の不安が強いと、心配に頭が占領され、明細や通知を見るのも避けたくなる。避けている間に期日が近づき、不安がさらに強まるという悪循環が起きやすい。

お金の心配が判断の力を下げる仕組みはお金の心配があると、判断がうまくできなくなるのはなぜかで、見たくない気持ちの研究はお金の話を避けてしまうのはなぜかで扱いました。

この記事は、その先の「追い詰められてしまった後、何をするか」に絞ります。動けないのは、意志が弱いからではありません。手順を小さく分けることで、最初の一歩を出しやすくなります。

02 科学的にわかっていることお金の心配と心の不調は、どう結びつく?

日本の調査では、うつ症状と結びついていたのは借金の有無より、借金の心配だった。海外の研究のまとめでも、自分で何とかできる感覚の低下が、借金と心の不調をつなぐ仕組みの1つに挙がっている。

Stickley ら(2023)[1]

2023年3月、日本の18歳以上の3,717人を調べた。借金がなく心配も無い人と比べ、借金がないのに借金を心配している人は、うつ症状を持つオッズ(起こりやすさの比)が2.42倍、借金があって心配している人は1.77倍だった。借金があっても心配していない人では、心の不調との関連は見られなかった。

対象: 全47都道府県から集めたウェブ調査の回答者3,717人 / 限界: 一時点の調査で、心配が原因か結果かは区別できない。

Rooney ら(2026)[2]

1980〜2024年に発表された米国の39の研究をまとめた。借金は、不安、うつ、自殺を考える気持ちの強さと一貫して結びついていた。その仕組みとして、お金の苦しさ、取り立ての圧力、自分で何とかできる感覚の低下が挙げられた。

対象: 米国の成人を調べた39の研究 / 限界: 研究ごとに借金や心の状態の測り方が違い、一時点の調査が多い。

Feeney ら(2025)[3]

英国の債務整理会社の利用者260人に尋ねると、深刻な借金だと気づいてから相談するまで、平均14.6か月かかっていた。分類できた後悔495件のうち99件は、相談が遅れたことへの後悔だった。

対象: 英国の債務整理会社の利用者260人 / 限界: 本人の記憶にもとづく回答で、1社の利用者に限られる。相談までの期間が長かった人ほど、調査時点の心の健康はむしろよい傾向があり、早く相談すると楽になることを示した研究ではない。

Birkenmaier ら(2026)[4]

家計の目標づくりや行動計画を一緒に進める「家計コーチング」の効果を調べた11の研究(うち8つはランダム化比較試験)をまとめた。お金のストレスや「自分でできる」という感覚に中くらいの効果を示した研究もあったが、全体としては効果ははっきりしないと結論づけた。

対象: 2024年9月までに見つかった米国の11の研究 / 限界: 研究ごとに測った結果や時期がばらばらで、まとめて効果の大きさを計算できなかった。

平均14.6か月英国で借金の整理に進んだ260人が、深刻さに気づいてから相談するまでにかかった期間 [3]

03 今日からできる小さな一歩追い詰められたとき、今日は何をすればいい?

お金の不安で追い詰められたら、①収入と支払いを1枚に書き出す、②期日の近い支払い先に連絡する、③公的な窓口に相談する、の順に進める。強い落ち込みがあるときは、心の相談を先にする。

1

紙1枚に「入るお金・出るお金・借りているお金」を書き出す

今月の収入、家賃や光熱費などの支払い、借入の残高と返済日を並べます。正確でなくてかまいません。全体が見えると、どこから手をつけるかを決められます。

所要 20分

2

期日がいちばん近い支払いを、1つ選ぶ

書き出した中から、今週中に期日が来るものに印をつけます。全部を同時に片づけようとせず、まず1つに絞ります。

所要 5分

3

期日の前に、支払い先に連絡する

払えない見通しなら、黙って期日を過ぎるより、前もって事情を伝え、どんな相談ができるかを問い合わせます。何を聞けばいいか分からないときは、先に手順4の窓口で相談しても大丈夫です。

所要 電話1本

4

公的な窓口に電話する

借金の返済が回らない、契約のトラブルがある、どこに相談すればいいか分からない、というときは下の表から窓口を選びます。いずれも相談料はかかりませんが、通話料はかかります。

所要 電話1本

5

心配する時間を区切り、眠る・食べるを守る

試験の前に不安を紙に書き出すと成績が下がりにくくなったという研究があります(お金の不安で同じ効果があるかは未確認。お金の不安は書き出すと軽くなる?)。夜に考え続けそうなときは、「明日の午前に考える」とメモして区切ります。

所要 10分

どこに相談すればいいかを、困りごと別に表にしました。番号と受付時間は各機関の公式ページの案内です。

困りごと窓口番号・受付
契約や買い物のトラブル、どこに相談すればいいか分からない消費者ホットライン188。近くの消費生活センターなどを案内 [5]
借金の問題で使える法制度や窓口を知りたい法テラス・サポートダイヤル0570-078374。平日9〜21時、土曜9〜17時(祝日・年末年始を除く)[6]
カードローンやキャッシングなど、貸金業者からの借入の相談日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター0570-051-051。平日9〜17時 [7]
気持ちが強く落ち込む、消えてしまいたいと感じるこころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556。かけた地域の公的な相談窓口につながる。受付時間は地域で異なる [8]

04 続けるためのコツ立て直しの途中で、不安をぶり返さないには?

立て直しの途中で不安をぶり返さないには、週に1回、書き出した紙を見直して、進んだことを記録するのがよい。研究では、自分で何とかできる感覚の低下が、借金と心の不調をつなぐ仕組みの1つだった。

05よくある質問

お金の不安で何も手につかないとき、最初に何をすればいい?

紙1枚に、今月入るお金、出るお金、借りているお金と返済日を書き出すところから始めます。正確でなくてかまいません。全体が見えると、期日の近いものから1つずつ手をつけられます。

借金はないのに、お金の不安が消えないのはおかしい?

おかしくありません。日本の3,717人の調査では、借金がないのに借金を心配している人も、うつ症状を持つオッズが2.42倍でした。不安が続いて生活に影響が出ているときは、お金の窓口と並行して、心の相談も使ってください。

お金の相談はどこにすればいい?無料?

契約のトラブルや相談先が分からないときは消費者ホットライン188、借金の問題で使える法制度を知りたいときは法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)が案内しています。相談料はかかりませんが、通話料はかかります。

相談するのは、もっと追い詰められてからでいい?

待つ必要はありません。英国で借金の整理に進んだ260人は、深刻さに気づいてから相談まで平均14.6か月かかり、分類できた後悔495件のうち99件は、相談が遅れたことへの後悔でした。

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なぜ → 気づく → 工夫する → やってしまったら(この記事) → 使う
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出典

  1. Stickley, A., Shirama, A., & Sumiyoshi, T. (2023). Financial debt, worry about debt and mental health in Japan. BMC Psychiatry, 23, 761. https://doi.org/10.1186/s12888-023-05235-4
  2. Rooney, K., Addison, S. M., Hayes, L. E. G., et al. (2026). A systematic review examining the relationship between debt and the mental health outcomes of anxiety, depression and suicidality within the United States. SSM - Population Health, 101915. https://doi.org/10.1016/j.ssmph.2026.101915
  3. Feeney, A., McNair, S., & Andelic, N. (2025). Debt-related regret and well-being in people resolving problem debts. BMC Psychology, 13, 718. https://doi.org/10.1186/s40359-025-03045-9
  4. Birkenmaier, J., Shanks, H., Maynard, B., & Greer, E. (2026). Financial Coaching for Enhancing Household Finances and Health/Well-Being: A Systematic Review. Campbell Systematic Reviews, 22, 18911803261435898. https://doi.org/10.1177/18911803261435898
  5. 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
  6. 法テラス「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/support-dial.html
  7. 日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」 https://www.j-fsa.or.jp/personal/
  8. 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html