貯金が続かない

子どものお金のくせ(すぐ使う・ためこむ・欲しがる・待てない)に気づくには?親が見る10の質問と、子どもに聞く4つの質問

約9分で読めます 出典照合済み(2026-10-11)

小銭入れ
Photo: Sanjay ach / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

おこづかいをもらった日に使い切る。ためたお金を使わない。お店で「欲しい」が止まらない。こうした様子は、性格と決めつけるより、年齢とともに変わる「今の傾向」として見る方が研究と合っています。この記事では、親が様子を見るための10の質問と、子どもに聞く4つの質問を、研究とセットで表にしました。

3行でわかる

  1. 子どものお金のくせ(すぐ使う・ためこむ・欲しがる・待てない)は、「タイプ」ではなく、年齢や経験で変わる「今の傾向」として見る。
  2. 1,037人を32歳まで追った研究では、子どものころの自己コントロールが大人のお金の問題と結びついていたが、途中で伸びた人は結果がよかった。
  3. 気づいたくせは、ラベルを貼らず、場面と行動だけを言葉にして伝える。罪悪感で従わせるより、ルールを示して自分で選ばせる。

01 悩みの正体子どものお金のくせは、性格で決まっている?

子どものお金のくせは、性格だけで決まってはいない。待つ力は年齢とともに育ち、家で見聞きすることや、自分でお金を使った経験でも変わる。「タイプ」ではなく「今の傾向」として見る方がよい。

この記事の「くせ」は4つです。すぐ使う(もらうとすぐ使い切る)。ためこむ(ためたお金をなかなか使わない)。欲しがる(「欲しい」が多い)。待てない(欲しいと思ったら今すぐ)。

どれも、多くの子どもに時々見られる様子です。1つの場面で決めず、何週間か見ると今の傾向が見えてきます。

親の習慣が子どもにどう伝わるかは親のお金の習慣と子どもの記事で扱いました。ここでは子どもの様子に気づく質問が中心です。

02 科学的にわかっていること待てない子は、将来お金に困るの?

待てない子が将来お金に困ると決まるわけではない。子どものころの自己コントロールは大人のお金の問題と結びついていたが、途中で伸びる子もいた。マシュマロテストの追試では、家庭環境などを考えると結びつきは3分の2ほど小さくなった。

1,037人ニュージーランドで生まれた年から32歳まで追われた子どもの数。子どものころの自己コントロールと、大人になってからのお金の問題の関係が調べられた [1]

Moffitt ら(2011)[1]

1972〜73年に生まれた1,037人を32歳まで追った(96%が参加し続けた)。3〜11歳の自己コントロールを、観察者・親・教師・本人の9つの評価で測った。自己コントロールが低かった子ほど、32歳で貯金が少なく、お金の管理に困り、クレジットの問題を抱えていた。知能や家庭の社会階層を考えても結びつきは残った。一方、若い大人になるまでに自己コントロールの順位が上がった人は、32歳での結果がよかった。

対象: ニュージーランドのダニーデン市で生まれた1,037人 / 限界: 観察による研究で、自然に伸びた変化が、働きかけで伸ばした変化と同じとは限らないと著者は述べている。

Watts ら(2018)[2]

「マシュマロテスト」の追試。4歳半の子どもに、お菓子を前に最大7分待ってもらった。母親が大学を出ていない552人では、1分長く待てると、15歳の学力が少し高かった。しかしこの結びつきは元の研究の半分ほどで、家庭の背景や早い時期の認知能力などを考えに入れると、3分の2ほど小さくなった。学力の差の多くは「20秒以上待てるか」で生じていた。

対象: 米国10か所で集めた子ども918人(全国を代表する標本ではない) / 限界: 調べたのは学力と行動で、お金の使い方そのものではない。

Nyhus と Webley(2013)[3]

ノルウェーの14〜16歳597人と、その親469人を調べた。親に心理的にコントロールされていると感じている子は、将来を考える傾向が弱く、「今の楽しさ」を重んじる傾向が強かった。親が応えてくれ、自分で決めさせ、行動のルールは示すと感じている子は、将来を考える傾向が強かった。将来を考える傾向が強い子ほど、出費を抑える力が高かった。

対象: ノルウェーの中高生とその親 / 限界: 一時点の調査で、親の関わり方が原因とまでは言えない。

LeBaron と Kelley(2021)[4]

家庭でのお金の学びの研究(2010〜2019年が中心)のレビュー。子どもは、親のお金の行動を見る、親子でお金について話す、自分でお金を扱う、の3つの道で学ぶと整理された。紹介された研究では、子どものころおこづかいをもらっていたことは若い大人になってからのお金の心配の少なさと、10代で自分のお金を稼いだことは健全なお金の行動と結びついていた。

対象: 主に Journal of Family and Economic Issues に載った研究 / 限界: 文献を整理したレビューで、効果の大きさを統合した分析(メタ分析)ではない。

03 今日からできる小さな一歩子どものお金のくせに、どうやって気づく?

子どものお金のくせには、1〜2週間、10の質問から3つを選んで様子をメモすると気づける。1回の場面で決めず、同じ質問で何度か見る。そのうえで、子どもにも4つの質問から1つだけ聞いてみる。

親が様子を見る10の質問です。研究のテーマをもとに、この記事で整理しました。

親が見る質問気づけるくせ研究とのつながり
1. おこづかいをもらってから、使い始めるまで何日くらい?すぐ使う待つ力は、子どもから大人になるまでに伸びる人がいた [1]
2. 欲しいものを見つけたとき、どのくらいなら待てる?(数十秒・1日・1週間)待てない追試では、学力の差の多くが「20秒以上待てるか」で生じた。長さより「少し待てるか」を見る [2]
3. 待つとき、自分で工夫している?(見えない所にしまう、別の遊びをする)待てない元の研究では、お菓子を見えなくする、待つための工夫を教えるといった条件も試されていた [2]
4. 使った後に「買ってよかった」「失敗した」と言うことがある?すぐ使う自分でお金を扱う経験は、お金の学びの3つの道の1つ [4]
5. ためたお金について「何のため」と言える?ためこむ将来を考える傾向が強い子ほど、出費を抑える力が高かった。ためるのは長所にもなる [3]
6. 「欲しい」が増えるのは、どんな場面のあと?(友だち・動画・お店)欲しがる親の温かい関わりは、10代の「物を重んじる傾向」の低さと結びついていた [4]
7. 欲しいものを、自分のお金で買う? 親に頼む?欲しがる・すぐ使う10代で自分のお金を稼いだ経験は、健全なお金の行動と結びついていた [4]
8. 家で値段や予算の話をしたとき、子どもはどう反応する?4つすべて親子でお金について話すことも、学びの道の1つ [4]
9. 親の買い方(衝動買い・まとめ買い)を、子どもは見ている?4つすべて子どもは親のお金の行動を見て、まねることが多い [4]
10. 1か月前と比べて、変わったことは?4つすべて自己コントロールの順位は、成長の中で入れかわる人がいた [1]

子どもに聞く4つの質問です。答えを正すためでなく、考えを知るために聞きます。

子どもに聞く質問ねらい
「今いちばん欲しいものは何? いつまでに欲しい?」欲しい気持ちと、待てる長さを本人の言葉で知る
「1週間待ったら、どうなっていると思う?」先のことを想像できるかを見る [3]
「この前買ったもので、よかったもの・いまいちだったものは?」使った経験を一緒に振り返る [4]
「お金がたまっていくと、どんな気持ち?」ためる理由が楽しみか、不安かを知る
1

10の質問から3つ選び、1〜2週間メモする

日付と場面と行動だけを書きます。「だらしない」などの評価の言葉は書きません。

所要 1日1分

2

子どもに1問だけ聞く

落ち着いた時間に聞き、答えには「そうなんだ」とだけ返します。

所要 5分

3

1か月後に、同じ質問で見比べる

待てる時間が少し延びた、などの小さな変化も書きます。

所要 10分

04 続けるためのコツ気づいたくせは、子どもにどう伝える?

気づいたくせは、「浪費家」「ケチ」などのラベルを貼らず、場面と行動だけを言葉にして伝える。罪悪感で従わせるより、家のルールを示したうえで、その中で子どもに選ばせる方が研究の結果と合っている。

言いがちな言葉言いかえの例
「あなたはすぐ使う子だね」「もらってから2日で使ったね。何に使ったか一緒に見てみる?」
「ケチだね」「ためるのが得意だね。何のためにためているの?」
「わがまま言わないで」「欲しい気持ちはわかった。1週間後もまだ欲しかったら考えよう」
「こんなに我慢できないなんて」「今日はお店で少し待てたね」
「そんな使い方をされると悲しい」「家のルールは月◯円まで。その中で選んでね」

05よくある質問

子どもがおこづかいをすぐ使ってしまうのは、問題ですか?

すぐ使うこと自体は、多くの子どもに見られるふつうの様子です。研究では、自己コントロールの順位が成長の中で上がった人もいました。まずは、もらってから使い始めるまでの日数と、使った後の感想を1〜2週間見てみてください。

マシュマロテストで待てない子は、将来お金に困る?

そうとは決まりません。米国の追試では、待てた時間と15歳の学力の結びつきは元の研究の半分ほどで、家庭の背景などを考えに入れると3分の2ほど小さくなりました。この追試は、お金の使い方そのものは調べていません。

お金をためこんで使わない子は、心配したほうがいい?

ためること自体は長所にもなります。ノルウェーの研究では、将来を考える傾向が強い子ほど出費を抑える力が高くなっていました。「何のためにためているか」を聞き、使うことへの強い不安がないかを見てください。

子どものお金のくせは、親のせいですか?

親だけで決まるものではありません。子どもは親の行動を見る、親子で話す、自分でお金を扱う、の3つの道で学ぶとされ、年齢とともに変わります。親を責めるより、今日からできる関わりを1つ選ぶ方が役に立ちます。

「子どもとお金」を順に読む
なぜ → 気づく(この記事) → 工夫する → 使う
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出典

  1. Moffitt, T. E., Arseneault, L., Belsky, D., Dickson, N., Hancox, R. J., Harrington, H., Houts, R., Poulton, R., Roberts, B. W., Ross, S., Sears, M. R., Thomson, W. M., & Caspi, A. (2011). A gradient of childhood self-control predicts health, wealth, and public safety. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(7), 2693-2698. https://doi.org/10.1073/pnas.1010076108
  2. Watts, T. W., Duncan, G. J., & Quan, H. (2018). Revisiting the Marshmallow Test: A Conceptual Replication Investigating Links Between Early Delay of Gratification and Later Outcomes. Psychological Science, 29(7), 1159-1177. https://doi.org/10.1177/0956797618761661
  3. Nyhus, E. K., & Webley, P. (2013). The relationship between parenting and the economic orientation and behavior of Norwegian adolescents. The Journal of Genetic Psychology, 174(5-6), 620-641. https://doi.org/10.1080/00221325.2012.754398
  4. LeBaron, A. B., & Kelley, H. H. (2021). Financial Socialization: A Decade in Review. Journal of Family and Economic Issues, 42(Suppl 1), 195-206. https://doi.org/10.1007/s10834-020-09736-2