貯金が続かない

貯金が続く人と続かない人の違いは?目標設定の研究

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Tikkoja heitettynä tikkatauluun.
Photo: Santeri Viinamäki / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開されている研究論文や公的機関の資料をAI(Claude)が調べ、内容を確認して整理しました。SEADICEが独自に実験したものではありません(家計・投資の助言ではありません)。出典は末尾にあります。

貯金しようと決めたのに、気づけば何も変わっていない。同じように「貯金しよう」と思ったはずなのに、続く人と続かない人がいるのはなぜでしょうか。意志の強さの違いだと考えてしまいがちですが、行動経済学の研究では、目標の立て方そのものに違いがあることがわかってきています。

3行でわかる

  1. 「貯金する」という漠然とした目標より、金額と時期を決めた目標の方が、貯蓄行動につながりやすいことが研究で示されています。
  2. 「なぜ貯めたいか」を考えて頭を抽象的な状態にすると、思いがけない収入をより多く貯蓄に回す傾向が実験で確認されています。
  3. 目標額を大きくしすぎると「始める」ハードルは上がりますが、いったん始めれば目標が大きいほど貯まる金額も増える傾向があります。

01なぜ「貯金する」だけでは続かないのか?

「貯金する」という目標は具体的な行動の指示になっておらず、目の前の支出との比較で負けやすいためです。

「貯金する」という目標には、いつまでに・いくら・何のためにという具体性がありません。具体性のない目標は、買い物の場面で「今回は使っていいか」を判断する基準にならず、目の前の欲しいものが優先されやすくなります。心理学ではこれを、目の前の出来事に注意が向く「具体的な考え方」と呼び、逆に将来の目的を考える「抽象的な考え方」をしているときほど、今の欲求より将来の利益を優先しやすいことが確認されています。

02科学的にわかっていること

目標を具体的にすること、そして目標について「なぜ」を考えることが、貯蓄行動に関係していることが複数の研究で確認されています。

Barrafrem, Tinghög, & Västfjäll(2024)[1]

スウェーデンの貯蓄アプリ利用者808人・貯蓄目標2,619件を調べたところ、目標金額を大きく設定するほど貯金を「始める」人は減っていました。ただし、いったん始めた人に限れば、目標額が大きいほどより多くの金額を貯めていました。自制心の強さは「続ける」ことには関係していましたが、「始める」かどうかとは関係していませんでした。

対象: スウェーデンの個人向け貯蓄アプリの利用者808人(貯蓄目標2,619件) / 限界: 特定のアプリの利用者データであり、銀行口座や現金での貯金にそのまま当てはまるとは限らない。

Rudzinska-Wojciechowska(2017)[2]

臨時収入の使い道を決める前に「なぜ貯めたいか」を考えて頭を抽象的な状態にしてもらったところ、参加者は受け取った金額の59%を貯蓄に回しました。一方、「どうやって貯めるか」を考え具体的な状態だった参加者は43%にとどまりました。

対象: ポーランドの成人79人(100〜2,000ズウォティの臨時収入を想定した実験) / 限界: 実験室での意思決定であり、実際に長期間貯金が続くかどうかまでは確認していない。

Davydenko, Kolbuszewska, & Peetz(2021)[3]

支出を減らしたり貯金を増やしたりする12種類の工夫を、29件の実験・合計12,316人分のデータでまとめて比較したメタ分析では、工夫全体で中程度の効果が確認されました(効果量d=0.57)。この中には、貯金の目標を「来月」のような曖昧な時期でなく特定の月まで具体化する工夫も含まれていました。

対象: 29件の実験に参加した合計12,316人 / 限界: 効果の大きさは工夫の種類によって差があり、目標を具体化する工夫だけを取り出した効果量はこの数値とは異なる可能性がある。

03今日からできる小さな一歩

目標を「金額・期限・目的」まで具体化することと、決める前に一呼吸おくことが、今日から試せる工夫です。

1

「貯金する」を「金額+期限+目的」に言い換える

「今月中に旅行用に3万円貯める」のように、いつまでに・何のために・いくらを、メモやアプリに書き出す。

所要 5分

2

大きな支出の前に「なぜ貯めたいか」を自分に聞く

財布やアプリを開く前に、貯めたい理由を一度思い出す。抽象的に考える時間を作るだけの簡単な工夫。

所要 1分

3

最初の目標額は小さめに設定する

目標額が大きすぎると始めるハードルが上がるため、まずは達成しやすい金額から始め、慣れてから見直す。

所要 5分

04続けるためのコツ

目標を一度決めて終わりにせず、「なぜ貯めたいか」を定期的に見直す習慣が、続ける力になります。

05よくある質問

目標額は大きい方がやる気が出るのではないですか?

スウェーデンの貯蓄アプリ利用者を調べた研究では、目標金額が大きいほど貯金を「始める」人は減る一方、いったん始めた人は目標が大きいほど多くの金額を貯める傾向が見られました。まずは達成しやすい小さな金額から始め、慣れてから見直す方法が現実的です。

目標を決めても長続きしません。何が違うのでしょうか?

「貯金する」とだけ決めるより、金額と期限まで具体的にした目標の方が貯蓄行動につながりやすいことが研究で示されています。うまくいかないときは、目標が「いつまでにいくら」まで具体的になっているか見直してみてください。

臨時収入が入るとつい使ってしまいます。対策はありますか?

実験では、受け取る前に「なぜ貯めたいか」を考えた人ほど、臨時収入をより多く貯蓄に回していました。使い道を決める前に、貯めたい理由を一度思い出す時間を作ることが助けになります。

出典

  1. Barrafrem, K., Tinghög, G., & Västfjäll, D. (2024). Behavioral and contextual determinants of different stages of saving behavior. Frontiers in Behavioral Economics. https://www.frontiersin.org/journals/behavioral-economics/articles/10.3389/frbhe.2024.1381080/full
  2. Rudzinska-Wojciechowska, J. (2017). If you want to save, focus on the forest rather than on trees. The effects of shifts in levels of construal on saving decisions. PLoS ONE, 12(5), e0178283. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5446163/
  3. Davydenko, M., Kolbuszewska, M., & Peetz, J. (2021). A meta-analysis of financial self-control strategies. PLoS ONE, 16(7), e0253938. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8266115/