家計管理

お金の勉強をすると、お金の使い方は変わるのか。金融教育の効果の研究

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Photo: André Karwath aka Aka / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

お金の本を読んだり、セミナーに参加したりしたのに、家計はあまり変わらなかった。そんな経験はないでしょうか。お金の知識を学ぶ金融教育は、世界中で広がっています。ただ、研究を見ると、学んだことが実際の行動に結びつくかどうかについては、結果が分かれていました。

3行でわかる

  1. 201の研究をまとめた2014年の分析では、金融教育が人々のお金の行動の違いを説明する割合は0.1%にとどまり、効果は時間とともに薄れていた。
  2. 76のランダム化実験・16万人以上をまとめた2021年の分析では、金融教育は知識と行動の両方に意味のある効果があり、その大きさはほかの分野の教育と同程度だった。
  3. 日本の18〜79歳・3万人の調査では、金融教育を受けた人の方が知識の正答率が高く、望ましいお金の行動をとる人の割合も高かった。

01「知っている」と「できる」の間には距離がある

お金の知識は大切ですが、知識があるだけでは行動は変わりにくいことがわかっています。学んだことを、すぐに使う場面と結びつけることが大切だと考えられています。

金融教育とは、貯金、借金、保険、投資などのお金の知識や判断力を身につけるための教育です。日本でも学校での金融教育が広がりつつあります。

ただ、お金の判断には、知識だけでなく、その場の気持ちや習慣も大きく影響します。そのため、知識を身につけても、実際の行動が変わらないことがあります。

研究者のあいだでも、金融教育の効果については意見が分かれていて、効果を高めるには、教える時期や方法が重要だと考えられています。

02研究でわかっていること

金融教育の効果はごく小さいとする分析と、意味のある効果があるとする分析があります。学んだ直後に行動につなげる教育の方が効果的と考えられています。

Fernandesら(2014)[1]

201の研究をまとめた。金融知識を高める取り組みが、お金の行動の違いを説明する割合は0.1%にとどまった。効果は時間とともに薄れ、長時間の教育でも、20か月以上たつと行動への効果はほとんど残っていなかった。研究者は、特定の行動の直前に行う「必要なときの教育」の方が役立つと提案している。

対象: 201の研究 / 限界: その後の研究で、より大きな効果を示す分析も出ている。

Kaiserら(2021)[2]

金融教育のランダム化実験76件(16万人以上)をまとめた。金融教育は、平均してお金の知識と、その後の行動の両方に意味のある効果があった。効果の大きさはほかの分野の教育と同程度で、それまでの研究で示された平均の3倍以上だった。

対象: 76のランダム化実験、16万人以上 / 限界: 国や対象者、教育の内容によって効果はさまざま。

金融広報中央委員会(2022)[3]

日本の18〜79歳の3万人を調べた。金融教育を受けたと認識している人の割合は低い水準にとどまる一方、学校で金融教育を行うべきと考える人は71.8%だった。金融教育を受けた人の方が、知識の正答率が高く、望ましいお金の行動をとる人の割合も高かった。

対象: 日本の18〜79歳の3万人 / 限界: 一時点の調査で、教育が原因で差が生まれたとは断定できない。

03今日からできる小さな一歩

お金の知識は、「必要になったときに、すぐ使う」形で学ぶのがおすすめです。学んだら、その日のうちに一つ行動に移します。

1

今の悩みに合わせて学ぶ

貯金、ローン、保険など、今まさに判断が必要なテーマから学びます。研究でも、必要なときの教育の方が役立つと提案されていました。

所要 30分

2

学んだらすぐ一つ行動する

本や記事で学んだら、その日のうちに一つだけ行動します。たとえば、口座を分ける、引き落としを確認するなどです。

所要 15分

3

半年後に見直す

知識の効果は時間とともに薄れやすいので、半年後に家計の状態と学んだことを見直します。

所要 30分

04続けるためのコツ

お金の勉強は、一度で終わらせず、必要なときに少しずつ続けるのが効果的です。知識を行動に変える仕組みを一緒に作りましょう。

05よくある質問

金融教育について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

お金の勉強をすれば、貯金できるようになる?

知識だけで行動が変わるとは限りません。201の研究をまとめた分析では、金融教育の効果はごく小さく、時間とともに薄れていました。学んだらすぐ行動に移すことが大切です。

金融教育には効果がないの?

そうとは言えません。76のランダム化実験をまとめた2021年の分析では、知識と行動の両方に意味のある効果が見られました。研究によって結果が分かれています。

日本では金融教育を受けた人は多いの?

金融広報中央委員会の調査では、金融教育を受けたと認識している人の割合は低い水準にとどまっていました。一方、71.8%の人が学校で金融教育を行うべきだと考えていました。

効果的なお金の学び方は?

住宅ローンや保険の契約前など、実際に判断が必要なときに、その内容に絞って学ぶ方法が提案されています。

出典

  1. Fernandes, D., Lynch, J. G., & Netemeyer, R. G. (2014). Financial Literacy, Financial Education, and Downstream Financial Behaviors. Management Science, 60(8), 1861-1883. https://doi.org/10.1287/mnsc.2013.1849
  2. Kaiser, T., Lusardi, A., Menkhoff, L., & Urban, C. (2021). Financial education affects financial knowledge and downstream behaviors. Journal of Financial Economics.(NBER Working Paper 27057で内容を確認) https://www.nber.org/papers/w27057
  3. 金融広報中央委員会 (2022). 金融リテラシー調査 2022年 調査結果のポイント. https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/literacy_chosa/2022/pdf/22lite_point.pdf