お金の不安

借金を一人で抱えていない?「隠す」「人前で多く払う」「相談を先延ばし」に気づく10の質問

約7分で読めます 出典照合済み(2026-10-11)

白い封筒
Photo: Frank C. Müller / CC BY-SA 2.5 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

カードの残高や借りたお金のことを、誰にも話していない。人に知られたくなくて、つい付き合いでは多めに払ってしまう。それは意志が弱いからではなく、「知られたら、どう思われるか」という気持ちが働いているからです。北米の研究は、この気持ちが借金を「隠す」「人前で多く払う」「相談を先延ばしにする」の3つの行動につながることを示しました。研究の質問をもとに、自分のくせを振り返る10問を作りました。

3行でわかる

  1. 借金を知られたくない気持ちが強い人ほど、借金を隠し、人前で多く払い、相談を先延ばしにしやすい。北米の6つの研究で確かめられた。
  2. 借金の問題に気づいてから外に相談するまで、平均5.65年かかっていた。知られたくない気持ちが7段階で1点強いと、相談は約1.3年遅れていた。
  3. 下の10問で「隠す」「人前で払う」「先延ばし」のどこにくせがあるかを見る。診断ではなく、1つ行動を変えるための振り返り。

01 悩みの正体借金を一人で抱えてしまうのはなぜ?

借金を一人で抱えてしまうのは、借金の額そのものより「知られたら低く見られる」という予想が強く働くから。研究では、この予想が強い人ほど、隠す・見栄で払う・相談しないという行動をとりやすく、返済が進みにくいこととも結びついていた。

Moorhouseらの研究では、この予想を「予期されるスティグマ(周りから否定的に見られるだろうという予想)」と呼びました。お金の負担を感じると、ふつうは出費を減らし、助けを求めます。ところが「知られたくない」気持ちが強いと、その逆の行動が起きていました [1]。

借金の返し方の順番は小さい額から返すか、金利の高い方から返すかの記事で扱いました。この記事は、返し方の前にある「一人で抱えるくせ」に気づくための振り返りです。

02 科学的にわかっていること借金を隠すと、何が起きやすい?

借金を知られたくない気持ちが強い人ほど、借金を隠し、生活の満足感が低く、相談が遅れやすかった。北米の研究では、借金の問題に気づいてから外に相談するまで、平均5.65年かかっていた。

平均5.65年借金の問題に気づいてから、初めて外に相談するまでの期間。借金の講座に申し込んだ北米の74人の回答 [1]

Moorhouse ら(2023)[1]

借金が多いと感じている人ほど「知られたら否定的に見られる」と予想しやすく(実際の借金額との関係ははっきりしなかった)、この予想が強い人ほど借金を隠していた。隠している人ほど、生活の満足感が低かった。この予想が強い人ほど人前での出費が増え、相談が遅れることも、場面を想像する実験などの別の研究で示された。

対象: 住宅ローン以外の借金が1,000ドル以上ある北米の成人など、6つの研究。最初の研究はオンライン調査の333人 / 限界: 多くはアンケートや場面を想像する実験で、日本で確かめた研究ではない。

Moorhouse ら(2023)の続き [1]

借金を減らす5か月の講座に参加した210人を、教室で仲間と受ける組、オンラインで受ける組、受けない組に分けた。受けない組と比べ、オンラインの組は3,531ドル、教室の組は4,370ドル多く借金を返していた。2つの組の差ははっきりしなかったが、知られたくない気持ちが強い人は、仲間と受ける方が生活の満足感が上がりやすかった。

対象: 借金の講座を提供する会社の参加者210人(借金の中央値36,288ドル) / 限界: 1社の講座での結果。仲間と受ける組は、借金を打ち明けられたことが満足感の上昇につながっていた。

Stickley ら(2023)[2]

日本の成人3,717人の調査で、借金がある人は17.7%、借金を心配している人は14.8%だった。借金を心配している人は、心配していない人より抑うつ症状などのオッズが高かった。借金があっても心配していない人では、心の不調との結びつきは見られなかった。

対象: 2023年の日本のオンライン調査 / 限界: 一時点の調査で、心配が不調を生むという因果まではわからない。

Dew ら(2022)[3]

米国の既婚者946人のうち、半数を超える人が配偶者にお金の隠し事をした経験があると答えた。口座やカード、借金を隠す、買った物の値段についてうそをつく、などの7つの質問のどれかにあてはまった人を数えた。

対象: 2019年の米国の全国調査の既婚者 / 限界: 自己申告の一時点の調査。

03 今日からできる小さな一歩借金を一人で抱えるくせ、どう確かめる?

借金を一人で抱えるくせは、下の10問に「あてはまる」「あてはまらない」で答えると確かめられる。質問は研究で使われた項目をもとに、「隠す」「人前で払う」「先延ばし」「知られたくない気持ち」の4つに分けた。

住宅ローン以外の借金(カードのリボ払い、分割払い、消費者金融、家族や知人からの借金など)を思い浮かべて答えてください。点数で判定するものではありません。

くせ質問(あてはまる?)
知られたくない気持ち1. 自分のお金の状況を人が知ったら、悪く思われる気がする
知られたくない気持ち2. 借金のことが知られたら、人の態度が変わると思う
知られたくない気持ち3. 借金があると、お金の管理ができない人だと思われそうだ
隠す4. 借金のことを、友人に話していない
隠す5. 借金のことを、家族やパートナーに話していない
隠す6. 自分のお金の状況を、誰にも正直に話せないと感じる
人前で払う7. お金がないと思われたくなくて、割り勘や付き合いで多めに払ったことがある
人前で払う8. 苦しい月でも、誘いを断る理由を言えずに出かけてしまう
先延ばし9. 「自分で何とかしよう」と、相談を後回しにしている
先延ばし10. 借金のことが知られるのが嫌で、相談窓口に連絡していない

1〜6は研究で使われた質問を日本語にしたもの、7〜10は研究で調べられた行動(割り勘で多く払う、相談を遅らせた理由)をもとに作った質問です [1]。

1

10問に答え、どのくせに「あてはまる」が多いかを見る

数を競うものではありません。「隠す」「人前で払う」「先延ばし」のうち、多く当てはまった所が、今いちばん負担になっている所です。

所要 5分

2

借金の一覧を、自分のためだけに1枚に書く

借り先・残高・毎月の返済額・金利を書き出します。誰かに見せる前に、自分が全体を知ることが先です。

所要 20分

3

「先延ばし」にあてはまったら、話す相手を1人だけ決める

家族やパートナー、信頼できる人、または公的な相談窓口から1つ選びます。研究では、知られたくない気持ちが強い人でも、仲間と受ける講座で借金を打ち明けられた人は、生活の満足感が上がっていました [1]。

所要 5分

04 続けるためのコツあてはまる質問が多かったら、どうする?

あてはまる質問が多かったら、全部を一度に変えようとせず、「人前で払う」ことを1回減らすか、相談先に1回連絡するかのどちらかから始める。借金の額より、一人で抱えている重さを先に軽くする。

05よくある質問

借金があることを、家族に隠すのはよくない?

隠すこと自体を責める必要はありません。ただ北米の研究では、借金を周りに知られたくない気持ちが強い人ほど、借金を隠し、相談を先延ばしにしやすく、生活の満足感も低い傾向がありました。全員に話す必要はなく、まず1人か、公的な相談窓口に話すことから始められます。

借金の額が少なくても、悩んでいたら相談していい?

相談していい内容です。日本の成人3,717人の調査では、借金があっても心配していない人は心の不調と結びついていませんでした。一方、借金を心配している人は、借金がなくても抑うつ症状のオッズが高くなっていました。額より「一人で抱えている重さ」を目安にしてください。

このチェックで何点以上なら危ない?

点数の線引きはありません。研究の質問をもとにした振り返り用の表で、診断ではないためです。「あてはまる」が多いほど、借金を一人で抱えている度合いが強いと考え、まず1つだけ行動を変えるきっかけにしてください。

パートナーにお金の隠し事をしている人は多い?

米国の既婚者946人の調査では、半数を超える人が配偶者にお金の隠し事をした経験があると答えていました。口座やカード、借金を隠す、買った物の値段についてうそをつく、などを含みます。珍しいことではないので、自分を責めすぎずに向き合い方を考える方が役に立ちます。

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出典

  1. Moorhouse, M., Goode, M., Cotte, J., & Widney, J. (2023). Helping Those That Hide: Anticipated Stigmatization Drives Concealment and a Destructive Cycle of Debt. Journal of Marketing Research, 60(6), 1135-1153. https://doi.org/10.1177/00222437221146521
  2. Stickley, A., Shirama, A., & Sumiyoshi, T. (2023). Financial debt, worry about debt and mental health in Japan. BMC Psychiatry, 23, 761. https://doi.org/10.1186/s12888-023-05235-4
  3. Dew, J. P., Saxey, M. T., & Mettmann, A. (2022). Money lies and extramarital ties: Predicting separate and joint occurrences of financial deception and extramarital infidelity. Frontiers in Psychology, 13, 1038169. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.1038169