お金の不安

借金は小さい額から返すべきか、金利の高いものから返すべきか。「小さな勝利」の研究

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Wooden staircase steps, in the forest of Hallasan Park, Eorimok Trail, at dusk on Jeju Island in South Korea. Long-exposure photography (30 
Photo: Basile Morin / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

カードローン、リボ払い、知人からの借金。いくつもの借金を抱えると、どれから返せばいいのか迷います。損得だけを考えれば、金利の高い借金から返すのが正解です。ところが研究では、人は小さな借金から返したがり、しかもその方が完済まで続きやすいこともあるという、少し意外な結果が出ています。

3行でわかる

  1. 複数の借金を返すゲームの4つの実験では、人は金利が高い大きな借金より、金額の小さい借金から返す傾向があった。
  2. 債務整理会社のデータでは、残高の大きさに関係なく、返し終えた借金の件数の割合が多い人ほど、借金を完済しやすかった。
  3. 作業を小さい順に並べると、大きい順に並べるより速く進んだ。小さな達成感が、やる気を保つと考えられた。

01「得な返し方」と「続く返し方」は、同じとは限らない

借金を返すとき、損得では金利の高いものから返すのが有利です。一方で、小さな借金を先に完済して件数を減らすと、達成感が生まれ、返済を続ける力になることがわかっています。

金利の高い借金から返す方法は「アバランチ(雪崩)方式」、金額の小さい借金から返す方法は「スノーボール(雪だるま)方式」と呼ばれることがあります。

計算上は、金利の高い借金から返す方が、払う利息の合計は少なくなります。しかし人は、借金の件数が多いこと自体を負担に感じ、件数を減らしたくて小さな借金から返しがちです。

研究者は、この傾向は損な判断である一方、「1件返し終えた」という小さな勝利が、借金返済という長い道のりを続ける力にもなると考えています。

02研究でわかっていること

人は小さな借金から返しがちで、それは利息の面では損になります。ただ、借金の件数を減らすことは、完済まで続けることと結びついていました。

Amarら(2011)[1]

複数の借金を返していく実験用のゲームを作り、4つの実験を行った。参加者は、金利の高い大きな借金より、金額の小さい借金から返す傾向があった(借金の件数への抵抗)。小さな借金を完済できないようにしたり、それぞれの借金にたまった利息に注目させたりすると、全体の借金をより早く減らせた。

対象: 4つの実験の参加者 / 限界: 実験用のゲームでの判断で、実際の借金とは異なる。

Gal & McShane(2012)[2]

債務整理会社の顧客データを分析した。返し終えた借金の件数の割合が多い人ほど、残高の大きさに関係なく、借金を完済しやすかった。一方、件数の割合を考慮すると、返し終えた金額の大きさは完済と関係がなかった。小さな課題を一つずつ終えることが、やる気を保つと考えられた。

対象: 債務整理会社の顧客データ / 限界: 観察データで、因果関係は確定していない。

Brown & Lahey(2015)[3]

大きさの違う作業を、小さい順に並べた場合と大きい順に並べた場合で比べると、小さい順の方が速く進んだ。ただし、自分で順番を選ばせると、小さい順を選ぶ人は最も少なかった。

対象: 実験室の参加者 / 限界: 作業の実験で、借金返済は仮定の場面で検討された。

03今日からできる小さな一歩

借金の返し方は、利息とやる気の両方を考えて決めます。まずは借金をすべて書き出し、金利と残高を見える化します。

1

借金をすべて書き出す

借入先、残高、金利、毎月の返済額を一覧にします。見えない借金があると、計画が立てられません。

所要 15分

2

金利の高いものを優先しつつ、小さい借金で弾みをつける

基本は金利の高い借金から多めに返します。ただ、すぐ完済できる小さな借金があれば先に返して、「1件終わった」という達成感をつくるのも一つの方法です。

所要 10分

3

利息の額を毎月確認する

それぞれの借金に毎月いくら利息がかかっているかを確認します。研究では、利息に注目すると借金を早く減らせていました。

所要 5分

04続けるためのコツ

借金の返済は長い道のりです。小さな達成を積み重ね、記録して進み具合を見える化すると続けやすくなります。

05よくある質問

借金の返し方について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

借金はどれから返すのが正解?

利息の合計を減らすなら、金利の高い借金から返すのが有利です。ただし研究では、借金の件数を減らすことが完済まで続けることと結びついていました。

小さい借金から返したくなるのはなぜ?

借金の件数が多いこと自体を負担に感じ、件数を減らして進んでいる実感を得たいためと考えられています。4つの実験でも、人は小さな借金から返す傾向がありました。

スノーボール方式は意味がない?

利息の面では損になることがありますが、「1件返し終えた」という達成感が、返済を続ける力になる可能性があります。

返済が苦しいときは?

早めに専門の相談窓口に相談してください。消費生活センター(188)や法テラスで、返済の方法や債務整理について相談できます。

出典

  1. Amar, M., Ariely, D., Ayal, S., Cryder, C. E., & Rick, S. I. (2011). Winning the Battle but Losing the War: The Psychology of Debt Management. Journal of Marketing Research, 48(SPL), S38-S50. https://doi.org/10.1509/jmkr.48.spl.s38
  2. Gal, D., & McShane, B. B. (2012). Can Small Victories Help Win the War? Evidence from Consumer Debt Management. Journal of Marketing Research, 49(4), 487-501. https://doi.org/10.1509/jmr.11.0272
  3. Brown, A. L., & Lahey, J. N. (2015). Small Victories: Creating Intrinsic Motivation in Task Completion and Debt Repayment. Journal of Marketing Research, 52(6), 768-783. https://doi.org/10.1509/jmr.14.0281