お金の不安

退職後のお金の不安がなくならないのはなぜか。「見通しを持つこと」の効果の研究

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Peter Bielagus, a motivational financial educator, speaks to Sailors during a command leadership forum event in support of Military Saves we
Photo: Petty Officer 2nd Class Jared Aldape / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

退職後の生活費が足りるかどうか、考えるだけで不安になる。貯金をいくら増やしても「これで本当に足りるのか」という不安が消えない――それは準備が足りないからではなく、先の見通しが立たないこと自体が不安を強くするためかもしれません。

3行でわかる

  1. 退職後のお金の不安の大きさは、貯金額そのものよりも「見通しが持てている」という感覚(コントロール感)と関係していることが研究でわかっている。
  2. 香港で退職前後の118人を18か月追跡した研究では、退職前に計画を立てていた人ほど退職後早い時期の心の資源が多く、その後の生活満足度の高さや心の健康につながっていた。
  3. パートナーとのお金の話し合いの質も、「使いすぎ」や「借金」への心配の大きさに関係していた。

01不安の正体は「見通しの欠如」

退職後のお金の不安は、金額の大きさよりも「この先どうなるか分からない」という見通しの欠如から強くなりやすい。

退職後にかかる生活費や医療費、年金の実際の受取額は、誰にとっても事前に正確には分かりません。いくら貯金があっても、将来の変化を完全に見通すことはできないため、不確実性そのものが不安を生みます。この不安は意志の弱さではなく、「わからないこと」に対する自然な反応です。

02科学的にわかっていること

退職の準備をする、見通しを持とうとするという行動自体が、コントロール感を介して不安や落ち込みの小ささに関係することが複数の研究で確認されている。

Yeung・Zhou(2017)[1]

退職前に計画を立てていた人ほど、退職後早い時期に使える心理的・社会的な「資源」(見通しや自信、人とのつながりなど)が多いことが、18か月間追跡した調査で確認された。その資源が多い人ほど、その後の生活満足度や心の健康が高く、心理的な苦痛は少なかった。

対象: 香港の退職前後の人118人(平均60.0歳)を退職6か月前から退職後12か月まで追跡 / 限界: 香港の比較的小さな集団を対象にした調査で、追跡期間も18か月と短く、長期的な効果は確認されていない。

Ugwu・Idemudia(2023)[2]

将来に向けて自分から計画的に行動する性格傾向が強い人ほど、経済的な備えへの不安を含む退職不安が小さかった。他者と自分を比べる気持ちの強さが、この関係の一部を媒介していた。

対象: ナイジェリアの公的機関職員508人(退職まで5年以内、平均57.47歳) / 限界: 単一国の公務員のみを対象にした自己報告調査で、他の働き方や国にそのまま当てはまるとは限らない。

Yorgason・Segel-Karpasら(2021)[3]

夫婦間でのお金の話し合いの質が良いほど、夫は「使いすぎ」への心配が少なく、妻は「重い借金」への心配が少なかった。一方、低い収入は夫婦どちらにも「収入が足りなくなる」心配を強めていた。

対象: 中年夫婦335組(平均44歳) / 限界: 退職前の中年層を対象にした調査で、実際に退職した後の心配を追跡したものではない。

03今日からできる小さな一歩

完璧な計算を目指さなくても、「ざっくり書き出す」「話す」という行動そのものがコントロール感を生み、不安を和らげる助けになる。

1

退職後の大まかな支出を書き出す

細かい金額でなく、住居費・食費・医療費など大きな項目だけを紙かメモに書き出します。

所要 15分

2

パートナーや家族とお金の話をする時間を作る

現状の心配事を共有するだけでよく、その場で結論を出す必要はありません。

所要 15分

3

「いつまでに何を決めるか」を1枚のリストにする

年金の受取方法や住まいの選択など、先延ばしにしていることを並べて書くだけにします。

所要 10分

04続けるためのコツ

不安をゼロにすることを目指さず、「わかっていること」を少しずつ増やす姿勢を持つと続けやすい。

05よくある質問

退職後の生活費はいくら用意すればいいですか?

必要な金額は住まいや健康状態、家族構成によって大きく異なり、一概には言えません。研究では金額の正確さよりも、見通しを持とうとする行動自体がコントロール感を通じて不安の小ささに関わることが示されています。まずは大まかな項目を書き出すことから始められます。

計画を立てても不安が消えないのですが?

計画を立てても不安が完全になくなるとは限りません。研究が示しているのは、準備や話し合いという行動そのものが「自分で状況を扱えている」という感覚を支え、それが不安や落ち込みの大きさに関係しているという点です。少しずつで構いません。

出典

  1. Yeung, D. Y., & Zhou, X. (2017). Planning for Retirement: Longitudinal Effect on Retirement Resources and Post-retirement Well-being. Frontiers in Psychology, 8, 1300. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5529398/
  2. Ugwu, L. E., & Idemudia, E. S. (2023). Retirement Planning and Financial Anxiety among Nigerian Civil Servants: Insights from Social Comparison Theory. Behavioral Sciences, 13(5), 425. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10215727/
  3. Yorgason, J. B., Segel-Karpas, D., Ermer, A. E., Weller, H., Owens, S., & Wheeler, B. (2021). What Are We Worried About? Mid-life Couples' Financial Concerns About Their Retirement. Innovation in Aging, 5(Suppl 1), 907. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8681651/