浪費・衝動買い

クーポンや割引で「得した」と感じたいのはなぜか。「お得感」と支出の研究

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An aisle of the Intermarché supermarket, jars and bottles of preserves on the shelves to the left and the refrigerated cases of cured meat a
Photo: Wilfredor / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(家計・投資の助言ではありません。出典は末尾)。

クーポンがあるから、ついでにもう1品。割引されているから、今買わないと損。そうやって、使うつもりのなかったお金を使ってしまうことはないでしょうか。研究では、クーポンや割引で「得した」と感じると、その分を別の買い物に使ってしまいやすいことがわかっています。

3行でわかる

  1. ネットスーパーの購買データでは、10ドル引きのクーポンを使った日は、使わなかった日より、食料品の支出がかえって1.59ドル増えていた。増えたのは、ふだん買わない商品だった。
  2. 店内で予想外のクーポンを受け取った人は、買い物かごの金額が増え、予定外の買い物も増えていた。
  3. 値引きの研究では、割引で「得をした」と感じると気が大きくなる一方、「いくら使ったか」に注目すると、その効果は消えた。

01人は「物の価値」だけでなく「お得感」にもお金を払う

人は商品を、その物の価値だけでなく、「いくら得したか」という感覚でも評価します。行動経済学ではこれを「取引効用」と呼びます。

経済学者のセイラーは、人が買い物をするとき、物そのものから得られる満足に加えて、「普段より安く買えた」という取引の満足も感じていると考えました。

この「お得感」は、それ自体が気持ちのいいものです。そのため、必要かどうかよりも、得をするかどうかで買い物を判断してしまうことがあります。

また、クーポンで浮いたお金は、思いがけず手に入ったお金のように感じられ、「浮いた分で別の物を」と使ってしまいやすくなります。

02研究でわかっていること

クーポンを使うと、浮いたお金以上に支出が増えることがありました。予想外のクーポンは、予定外の買い物も増やしていました。

Milkman & Beshears(2009)[1]

ネットスーパーの客が10ドル引きのクーポンを使ったときと使わなかったときの購入を比べた。クーポンを使った日は、食料品の支出が1.59ドル増えていた。増えた支出は、その客がふだん買わない商品に向けられていた。浮いたお金を、心の中で別の「臨時のお金」として扱っていると考えられた。

対象: アメリカのネットスーパーの購買データ / 限界: ワーキングペーパーとして公開された分析。

Heilmanら(2002)[2]

店内で予想外にもらえるクーポンの効果を、店舗での実験と購買データで調べた。予想外のクーポンを使うと、買い物かごの金額が増え、予定外の買い物の数も増えていた。

対象: 店舗での実験と購買データ / 限界: アメリカのスーパーでの研究。

Thaler(1985)[3]

人の買い物の判断を説明する「心の会計」のモデルを提案した。人は物そのものの価値に加えて、「どれだけ得な取引か」という満足(取引効用)を感じて判断していると考えた。

対象: 理論の提案 / 限界: 理論の論文で、実験データは限られる。

Wangら(2026)[4]

4つの研究で、値引き商品を買うと「得をした」と感じて気が大きくなり、食べ物を捨てやすくなることを示した。ただし、「いくら得したか」ではなく「いくら使ったか」に注目すると、この効果は消えた。

対象: 大学の食堂でのフィールド実験を含む4つの研究 / 限界: 食べ物の廃棄を調べた研究。

03今日からできる小さな一歩

クーポンや割引を見たら、「いくら得するか」ではなく「いくら使うか」で考えます。

1

「いくら使うか」で考える

「500円引き」ではなく「今日いくら払うか」に注目します。使う金額に目を向けると、お得感に流されにくくなります。

所要 数秒

2

クーポンのための買い物をしない

もともと買う予定の物にだけクーポンを使います。クーポンを使うために商品を探し始めたら、立ち止まります。

所要 数秒

3

浮いた分は、すぐ貯金に回す

クーポンで浮いた金額を、その場で貯金用の口座やアプリに移します。浮いたお金で別の物を買うのを防げます。

所要 1分

04続けるためのコツ

クーポンや割引は、上手に使えば家計の助けになります。大切なのは、必要な物にだけ使い、浮いたお金を別の買い物に使わないことです。

05よくある質問

クーポンと割引について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

クーポンを使うと、なぜかえって支出が増えるの?

クーポンで浮いたお金を「臨時のお金」と感じ、別の物に使ってしまうためと考えられています。ネットスーパーの研究では、10ドル引きのクーポンを使った日の支出が1.59ドル増えていました。

「お得感」とは何ですか?

物そのものの価値とは別に、「普段より安く買えた」という取引の満足のことで、行動経済学では「取引効用」と呼ばれます。

予想外のクーポンをもらうとどうなる?

店内で予想外のクーポンをもらった人は、買い物かごの金額が増え、予定外の買い物も増えていました。

お得感に流されないコツは?

「いくら得するか」ではなく「いくら使うか」に注目することです。値引きの研究でも、使った金額に注目するとお得感の効果が消えていました。

出典

  1. Milkman, K. L., & Beshears, J. (2009). Mental Accounting and Small Windfalls: Evidence from an Online Grocer. SSRN Working Paper. https://doi.org/10.2139/ssrn.1018382
  2. Heilman, C. M., Nakamoto, K., & Rao, A. G. (2002). Pleasant Surprises: Consumer Response to Unexpected In-Store Coupons. Journal of Marketing Research, 39(2), 242-252. https://doi.org/10.1509/jmkr.39.2.242.19081
  3. Thaler, R. (1985). Mental Accounting and Consumer Choice. Marketing Science, 4(3), 199-214. https://doi.org/10.1287/mksc.4.3.199
  4. Wang, Y., Xu, W., & Sarigöllü, E. (2026). Do Promotions Make Consumers More Wasteful? The Effect of Price Promotion on Consumer Food Waste Behavior. Behavioral Sciences, 16(4), 495. https://doi.org/10.3390/bs16040495